ピノ・ドラガ[2015]クメティエ・シュテッカー【スロヴェニア　自然派　マセラシオンワイン】

【ピノ・ドラガ】
果皮と共に20日間マセラシオン、濾過せず。熟成：オーク樽で36か月

エッジわずかにアンバーに退色した色調、ブルゴーニュの古酒を思わせる枯れ始めたルビー。好みでもありますが、澱が絡んでいない状態の方が香りが甘く色気がある。甘く凝縮したドライアプリコット、干し柿、シナモン、わずかにオレンジピールが加わるもいわゆるこれみよがしな“オレンジワイン”と比べると果皮に由来するドライな風味は控えめでむしろ果実味と完全に同調している。

滑らか、まだまだ果実の瑞々しさを感じるアタック、たっぷりとしたエキスの塊、大きく張り出すような酸のコア、薄く淡いタンニンが膜を貼るように輪郭を大きくなぞる。熟成したブルゴーニュのようにエキス化した果実とタンニンながらぐっと口の中を踏みしめるような巨躯の酸味が追いかけてくる。

知らずに飲めば80年代ブルゴーニュの世界観ですが酸だけが太く若い。揺らして澱が攪拌されると、甘いドライフルーツ香が見えなくなるため飲む前は立てて清澄させることをお薦めする。（2020年12月　インポーター）