ヴァン・ド・サヴォワ・アントレピド[2023]アドリアン・ダカン【フランス　サヴォワ　自然派　白ワイン】

【ヴァン・ド・サヴォワ・アントレピド】
色合いは透明感と輝きのあるイエロー。グレープフルーツ、クエッチ、ホップ、緑茶の香り。ワインはピュアかつ透明感のある昆布ダシのようなエキスがまったりと滑らかで、塩気のある滋味豊かなミネラルと重心の低い酸がきれいに溶け込みます。

収穫日は10月1日とブドウが晩熟だった。収量は、ブドウの房が多かったが、夏の日照りにより全体的に果汁が少なかったので30hL/haとやや減収。残糖2g/L以下の辛口。ミネラル感を引き出すためにジャーを使って醸造。ワイン名Intrépideは「大胆不敵、勇敢な」という意味があり、息子の性格と急傾斜の畑のイメージとを重ね合わせてこう名付けました。別称にEmery（エムリー）と長男の名前を付けています。SO2無添加、ノンフィルター。

ジャケールに次ぐサヴォワを代表する白の土着品種アルテス。ジャケールよりも早熟でボリュームがあり、味わいがふくよかなのが特徴。2023年はブドウの房が多かったのに加え、夏の日照りによりブドウの成熟がまちまちで全てのブドウが完熟するまで時間がかかった。アドリアン曰く、アルコール度数が10.5%とライトだが、ブドウ一つ一つの果汁が少なかった分エキスが凝縮しているとのこと。醸造は、ブドウの持つミネラルを十分に引き出すために前回同様に500Lのジャー（炻器）を使用。

出来上がったワインは、アプルモン同様にきれいな酸と昆布ダシ感にあふれるピュアな味わいに仕上がっている。彼曰く、今回収穫したブドウは果皮が厚く果汁が少なかったため、いつもよりもプレスに時間を掛けた結果、チョーキーなミネラルの塩味と同時に緑茶など、ややマセラシオン風の爽やかな香りが加わったとのこと。酸の余韻も長く、口の中に染み入る繊細な旨味は、アプルモン同様魚介や野菜などシンプルな素材を使った料理や和食にピッタリ。