デス・ヴァーンゼンス・フェット・ボイテ[2020]ヴァインライヒ【ドイツ　ラインヘッセン　自然派　オレンジワイン】

【デス・ヴァーンゼンス・フェット・ボイテ】
ワイン名を直訳すると「狂気、太った、盗品」だが、意訳すると「ばかげている、理解できないことをする」という意味合いになる。 白葡萄（シャルドネ）の長期マセラシオンという、少し前ではあり得ないワイン造りをしたことを揶揄している。

ただ、それほど深い意味を持たせているわけではなく、ワイン名もラベルも、言葉遊び、イメージ遊びです。

葡萄：シャルドネ100％　栽培：ビオロジック　総酸度：5.2g/L　残糖：0.1g/L
畑・土壌：ベヒトハイムとその周辺。土壌は主にローム、レス、少し石灰岩もある。
醸造・熟成：葡萄はすべて除梗。4～6週間果皮浸漬させて発酵させる。
その後、古い木樽（バリック、トノー）を使って熟成させる。SO2は無添加。ノンフィルターでボトリング。

造り手、土地の個性の組み合わせによっていかようにも変化するシャルドネにとって 個人的には“醸し”のワインはどうにもあまりしっくり来ないものが多いように感じますがこれは素晴らしいです。

抜栓直後はスクリューキャップ由来の還元、ぎこちない香りの立ち上がりで収れん性が前に感じますがすぐに向上。 わずかな酸化、オレンジマーマレード、2019年よりも果皮の要素が強く感じます。 花や果実を思わせる発酵系、上質なウーロン茶葉。 静謐ながら果実のエネルギーに満ちていて余韻にかけて小さなスケールの中での反響音が繰り返すような余韻。 熱量の高いシャルドネの粘り気や甘さを残す余韻ではなく抜けるような静寂、上向きのベクトルで描く世界。 狂気と理性、まさにヴァインライヒならではの情景。 （2023年3月インポーター）